論説

NHKスペシャル「ワーキングプア」

表題番組はNHKによる格差社会告発ドキュメンタリー。非正規雇用や零細農家問題は新鮮味に欠けるきらいはあるが、それでもこのようにまとまった形で「景気回復」の闇を描き出した試みには一定の評価をしたい。 小泉改革というより、1995年の「新時代の日本的…

慰霊の日雑感

去る6月23日はサッカーW杯によって、沖縄以外の報道機関ではほとんどおざなりにされていたが、沖縄慰霊の日であった。 1945年6月23日というのは単に日本軍の司令官が自決しただけであり、実際にゲリラ戦は9月まで続いたことから、この日を「慰霊の日」とす…

負けなかった、ただそれだけ

サッカーW杯、日本対クロアチアは非常にフラストレーションの溜まる試合だった。ナショナリスティックな要因からではなく、サッカーにおける技術的要因からである。 まず、この試合の結果に対する私見を述べると、クロアチアの拙攻により日本が幸運にも引き…

裁判員制度が出来ない社会

http://www.asahi.com/life/update/0428/002.html 裁判員制度に関する最高裁の国民意識調査の結果が先日公表された。リンクを貼った朝日新聞記事は「『3日以内なら参加可』4割」と見出しを打ったが、これは言葉のあやで、実質は「一日も参加できない」と回…

CPEへの想像力

フランスにおけるCPE(初期雇用契約)導入撤回の一報には、「革命の国」の伝統を受け継ぐ市民への敬意と、EUに悪しき前例を残さなかったことへの安堵を覚えた。そして、明けて今日(4/12)、各新聞社がCPE撤回にいかなる見方をしているか、所謂全国紙の社説…

横浜市長選への疑念

日本に限らず、選挙というのは基本的に有権者の投票が正確に反映されるという信頼の下に成り立つはずのものである。独裁国家などでは選挙操作は決して珍しいことではないが、一応日本の選挙は裏でいかがわしい金や怪文書が飛び交おうとも、選挙管理自体はき…

「個人の問題」ではない

先日、医大生の友人と酒を飲む機会があった。長い付き合いのある旧友であり、最初はお互いの近況や同級生の話題などを話していたが、酒が進むにつれお互いの将来へのビジョン、そして県内においては高い関心を集めている、福島県立大野病院の医療事故事件へ…