あまりにお粗末な

http://www.mainichi-msn.co.jp/entertainment/tv/news/20060727k0000m040050000c.html
安倍晋三支持の皆様が狂喜乱舞した、TBS「イブニング5」における「サブリミナル疑惑」問題。実際にサブリミナル映像というのはこんなチンケな技術ではなく、もしこれを何らかの政治的意図を以て行ったとするなら、「NEWS23」でサヨク(敢えてカタカナ表記)レッテルを貼られたTBSのイメージを利用して、サヨクのえげつなさを強調して、安倍晋三への同情とサヨク狩りの正当性を引き出すためにやった、とも私などは思うのですが(笑)、当事者たちの言い分通り事故とすれば、あまりにお粗末ではありませぬか。
「事故」の内容としては、他のコーナーで使用する予定だった安倍氏の写真パネルの映像が混入してしまったということらしいですが、それは編集段階で気が付くはず。そもそも安倍はメディアの独立性なんか全く関心がなく、むしろ自分の主張と対立するようなメディアには言論弾圧まがいの行動も辞さないことはNHKETV「戦争をどう裁くか」への放送前介入(この件に関してはNHK側にも落ち度があるが、それを抜きにしても彼のメディアへのスタンスを如実に示している。ちなみに私はこの番組で取り上げられた「民衆法廷」そのものについては当事者たちの自己満足に過ぎないと思っており、それ自体は支持しないが、問題は制作者の意思が政治の圧力で歪められたことにある)で明らか。もしこれが純粋な事故であるのなら、そういった人物に付け込む隙を与えたという意味で致命的なミスでしょう。気づいた段階で取り直すべきだった。
TBSについては、脇の甘さは古くはオウム真理教による坂本堤弁護士拉致殺害事件当時から指摘されているわけですが、危険な相手に報道機関として致命的なミスを犯す体質はどうも改善されていないようです。朝はみのもんた、夜は筑紫哲也と、既に外部の人間に報道番組を託して久しいのだから、いっそ夕方も外部の大物を招聘してはいかがか、とさえ思うのですが、どうでしょう。とにかくこれが、安倍晋三政権誕生後にメディアが満足に政権批評(批判以前に)すら出来なくなる状況を生み出すことにならなければ良いのですけれど。