朝日新聞「ニッポン人脈記」

昨今の朝日新聞は良いと思わないけど、実家住まいなので私の意思に関係なく購読しており、私も何だかんだと言いながらほぼ毎日目を通しています。
いちいち不満や批判を書けばきりはないのですが、連載になっている「ニッポン人脈記」という記事の中で、日本の戦後保守政治を中曽根康弘元首相を中心に見た一連の回は非常に興味のあるところでした。まあ、私から見ると保守政治家やその周辺の人物に甘く、また、ライバル社のナベツネ会長に関する記述にも突っ込みたい部分がありましたが(笑)、それでも今の政治に対する彼らの考えなどは実に面白かったです。特に印象的だったのが中尾栄一収賄事件にも連座した「フィクサー」、画商の福本邦雄氏のインタビューで、「今の政治には哲学がない」、「今の政治は明らかにバランス感覚を欠いている」という二点の指摘は、こういう人から出た言葉であるからこそ重みがあると感じました。まさか早野記者が改竄したわけではないだろうな(笑)
でもこの言葉、小泉単純一郎copyright by田中康夫や政治の世界に限った話ではなさそうで、そう考えるとかなり含蓄のある言葉ですよね。観念だけじゃ前に進めないけど、理念なき前進は欲望の暴走だ、と。上記の会社に関する問題も、結局はここに帰結することでして。でもこれから、哲学なんて流行らないんだろうな。私も体系的にきちんと勉強したわけではないですけどね。