愛しのマイ・プレジデント

先日、マイルCSでの本命宣言をしていたサクラプレジデントの引退が決まりました。故障によるものなので、仕方ないと言えば仕方ないのですが、惜しむらくは万全の状態で中距離GⅠに出走出来ていたなら、という無念はあります。
1970〜90年代にかけて境勝太郎厩舎、小島太騎手とのトリオで関東競馬界を席巻した「サクラ」軍団の馬らしく、垢抜けた、それでいて気難しく、体質も弱く、どこか当てにならない部分もあり、ただ、自分の競馬をした時は、中距離なら敵はいないんじゃないかと錯覚させられるようなところがあったこの馬は、私にとってこの二年ぐらい、絶えず気にせずにはいられない存在でした。何か、ブレイクを待つアイドルやバンドの追っかけみたいな心理かも知れません。よもやラストランになると思っていなかった天皇賞の外れ馬券をたまたま捨てていなかったのは、巡り合わせでしょうか。
一般的な定義から言えば名馬とは言えない馬ですが、競馬関係のアルバイトをやったり、競馬を見始めてから10年が経ったりして、馬に関してはやや感動が薄くなってきていた時期にこの馬に「入れ込めた」ことは、私の競馬歴の中では大きいことだったのではないかと思います。とりあえず、おつかれさん、そして子供でGⅠの夢をもう一度お願い、我が愛しの大統領。