時刻表の怪

鉄道時刻表というのは、別に鉄道マニアでなくても駅や旅行代理店、書店の店頭などでご覧になったことがあると思います。飛行機がかなり安くなったとは言え、ある程度までの距離なら、空港へのアクセスの問題などで新幹線や特急列車が便利な事が多いですし、携帯電話専用サイトやPCでもある程度検索可能とは言え、いざ切符を買う時にいちいち見るというのも面倒なので、一度ぐらいは中身まで見られたことがあるのではないのでしょうか。旅行、出張などの際に不測の事態に備えて小型時刻表を携帯される方も少なくないと思います。
しかし、書店に行くとなぜか、山積みになっているのは大型時刻表です。しかも、大体の場合似たようなのが二冊並んでいます。これはJRグループの交通新聞社が発行するものと、大手旅行代理店JTBが発行するものとがあるためですが、はっきり言って中身はそう変わりません。時刻表はあくまで普遍的な列車の運行時刻を載せるものですから、変わっても困るのですが。しかもマニアはわざわざ、携帯に不向きな大型時刻表を購入するばかりでなく、多くの場合毎回同じ会社の時刻表を買います。まあかく言う私もそうであるわけですが。
この理由ははっきりとは分かりませんが、恐らく最初に買ったものをそのまま慣れで使うというものではないかと思います。掲載順序やレイアウトの問題で、慣れている会社の方が使いやすいという傾向はある程度あります。でも、たぶんこれはマニア以外には理解不能な世界ではないでしょうか。
世の中、多くの人が触れるものは極力分かりやすくあるべきだとは思いますが、逆にこういう理不尽とも言える部分も、無害な範囲で存在しても良いんじゃないでしょうか。人間が完全に理性で動いて、他人の考えが全て読めても、それはそれで気持ち悪いですしね。