モラトリアム考(2)

こんなことを今更書いたのは、年下の知人の進学問題でこの問題を否応無しに考えさせられたことが発端です。
彼女は大学四年で、成績もなかなか優秀なのですが、就職活動はほとんどせず大学院に進むということを言っていました。しかし、実際に話を聞いてみると、大学院で何をやりたいのか、私には今一つ伝わってこないのです。恐らく、まだモラトリアムが欲しい、というのが本音なんでしょう。
繰り返しになりますが、モラトリアムは意識しないと自らを腐らせます。ましてや大学院に進む2年(修士のみの場合)間というのは、人生の中でかなり重要なポイントを占める2年間です。別に私はモラトリアムの必要性そのものは否定しませんが、モラトリアム後期の過ごし方の難しさは身を以て知っているだけに、正直彼女の行く末が不安になると同時に、改めてここ数年の自らの生き方を考えさせられもしました。