モラトリアム考(3)

かつて寺山修司は、「家出のすすめ」、そして「上京のすすめ」を当時の青少年に説きました。これはモラトリアム、特に後期の過ごし方の大きなヒントではないでしょうか。1960年代と現在では社会情勢はかなり異なりますが、個人としての自立と、世間を知り、他者を知ることとは変わらずモラトリアム期の重要なポイントであり続けていると思います。むしろ、モラトリアムが長期化、複雑化した現代においてこそ、この詩人の金言は見直されるべきと言えるかも知れません。
東京一極集中とか、別な問題はまたあるんですけれど。