モラトリアム考(1)

私の手元にはやや古い(高校時代に購入)辞書しかないが、それによれば「モラトリアム」は
1.非常の場合、法令で一定期間、債務者の支払いを延期すること。支払猶予。
2.社会的な責任や義務を一時猶予された状態に在る青年期の人(の状態)
とある。勿論ここで借金の話をするわけではなく、2の方の定義について考える訳ですが。

私は現在、23歳大学留年生で、世間的には立派なモラトリアム人間でしょう。実際高校卒業時にはすぐ働くというつもりはなかったですし、さほど疑問を持たずにモラトリアムの延長=大学進学を選びました。正直働きたいという意思を強く持つようになったのは、ここ2、3年のことです。
しかし、私の地元の友人の多くは、彼らの本音がどうだったかは別として、もうほとんど働いています。高校から働いている知人の中には結婚して子供がいるという人物もいますし、いわゆる「パラサイト・シングル」(最近聞かなくなったなあ、この言葉)もいなくはないですが、どうあれ彼らは定職を持ち、何らかの社会的責務を負っているわけです。
正直、置き去りにされているという意識や劣等感はあります。ただ、彼らと同じようにはなれない以上、私は彼らには出来ないことを、意識してやらなければなりません。そうでなければモラトリアムはただ私を腐らすだけです。このことは高校の時から強く意識しています。今、モラトリアムはあと半年程度で終わろうとしているわけですが、その「彼らには出来なかった、自分のやってきたこと」を、もう一度見つめ直してみたいところです。