雑感『ネット時代のジャーナリズム論』

http://www.tbs.co.jp/news23/onair/tokusyu/2005_11/20051123.html
速報的記事になりますが、NEWS23特集『ネット時代のジャーナリズム論』についての雑感を。
まず最初の感想としては、合衆国のブログ事情(あくまで番組で紹介されていた限りで、ですが)と日本のそれは現状ではあまりに異なり、筑紫、鳥越、湯川三氏の鼎談はあくまで可能性の話にしか過ぎないのではないか?という疑問が真っ先に挙がります。少々厳しい言い方をすれば、彼らはジャーナリズムのプロではあるけれど、日本のブログ事情については全く無知なのではないか?とさえ(時事通信の湯川氏は一応、ネット事情通ということでしたが)思えてしまいました。確かにブログにおいて政治的メッセージを伝えよう、あるいは何かしらの言論を構築していこうという流れがないとは言えませんが、あくまで日記に近い使われ方、読まれ方が主流ではないでしょうか。
もう一つ、疑問に思ったのが、ジャーナリズム=リベラル、ブログ=アンチ・リベラルという見解。確かに新しいタイプの右翼(所謂「都市型右翼」ですね)とネットの親和性の高さは認めるけど、だからと言って左翼とネットの親和性が低いかと言えば、決してそんなことはないし、ジャーナリズムだってそもそもそんなにリベラルかよと(笑)
本当にブログが草の根ジャーナリズムとして芽を出しつつあるなら、韓国の「ハンギョレ」とまではいかずとも、その代名詞的存在があって然るべきですし、私だってそこに可能性を見出してますって。まあ、模索はしていますけど。
ただ、ここまでどちらかと言うと難癖を付けてきましたが、筑紫、鳥越という大ベテラン、かつアナログ派(とお見受けする)ジャーナリストが、あまり肯定的ではなかったとは言え日本におけるブログ草の根ジャーナリズムの可能性をある程度検証したことは、一応の価値があると思います。私見としては、主なハードルは宣伝、信憑性、記者クラブと考えてますが、前二つは努力のしようがあるとして、最後だけは既存のジャーナリズムの側に変わって頂かないことには・・・・。