献血と病院嫌い

先日、会社の労組活動に巻き込まれ人生初の献血を体験しました。今は亡き本田靖春氏が売血の問題点をえぐり出し、日本における献血制度成立の一助となった「黄色い血」キャンペーンに予備校時代に感銘を受けておきながら、今まで一度もやったことがない、というのはどうかという突っ込みはありますが、しっかりと400ml抜かれて参りました。
現在はイギリス滞在歴のある人や、ピアス穴を開けた人、体重不足などで献血をする上で健康状態に問題のある人など、規定に引っかかるため希望しても実際に採血が出来ない人が多いとのこと。それが慢性的な血液不足に繋がっているのだとか。私は問題なく採血出来たのですが、血液が不足すれば当然現場では問題が起きますし、そうなるとまた闇で売血市場が、ということにもなりかねないだけに、気になるところではあります。
で、その血液を使う現場である病院にも、何の因果かその二日後に世話になることになりました。急な鼻炎とそれに伴う出血、呼吸困難、嘔吐が原因で、一過性のものだったのですが、運悪く日曜、かつ出先だったため、救急病院を探すにも一苦労。見つかってもぞんざいな電話応対でたらい回し、診療拒否もあり、という状態で、その時たまたま世話になっていた大学時代の後輩に救急車を呼んでもらうことになりました。しかし運ばれた先でも連絡ミスから耳鼻咽喉科の前に内科に通されたりと踏んだり蹴ったり。おまけに軽いドクハラも受ける始末で、私の病院嫌い(幸い、普段は健康体なので数年に一度しか世話になりませんが)はさらに悪化しました。
私以上の重症患者に神経が行くことや、都内の病院は特に過酷な勤務実態があることなどは理解できなくはないのですが、それにしても、あんまりな扱いでないかい?救急隊員の方の熱心な仕事振りと比較してしまうと、やはり落胆してしまいますね。今回はたまたま巡り合わせが悪かっただけで、世には勿論、患者のために日々努力されている医師、その他医療関係者の方も大勢いらっしゃるのだろうし、また、ドクハラを受けた医師と、にべもなく診療拒否をした医師以外の方々には感謝しています。しかし、こういう経験は初めてでなく、社会的にも医療ミス、ドクター・ハラスメントという言葉が定着していることを考えると、やっぱり医療現場の問題というのは構造的で、根が深いのかなと思ってしまいます。
まあ、人間健康で病院の世話にならずに済むのが一番ではありますね。