権力の魅惑とマスコミの自己批判

「先送り」という点で、最近もう一つ話題になっているのは、NHKの一連の不祥事に対する海老沢会長の権力への執着と、マスコミの自浄能力のなさですが、前者は、ここまで来るとむしろ悪役の鑑という意味で大したものだとさえ思えますね。フリージャーナリストや労組、学者、経営者、更にはTVの前の「視聴者の皆様」を向こうに回して、サンドバック状態になりながら、それでもなお権力に恋々とする様を公共電波で流すというのは、なかなか出来ることではないと。勿論皮肉込みですが、案外この人、某新聞社の会長なんかより遥かに悪者の資質を持っているのかも知れません。むしろ問題は後者であって、一時ジャーナリズムを志望した者としては、NHKに限らず、民放各社も不祥事の度に何か学習したのかという疑問と、「まず隗より始めよ」の精神が欠如し、報道人を満足に育成出来ずフリージャーナリストらに頼らなければニュース番組も満足に出来ないTVの在り方への憤慨とがより強いのですが、NHKをご覧になった「皆様」はどう思われましたか?