都市と地方の差異

ここで何度も触れてきたこのテーマですが、年末はどうもそれをいつも以上に実感しそうです。
私は現在、地方在住ですが、実際に社会的基盤は東京にかなり残しており、普段、実家近辺での人間付き合いよりも、東京でのそれの方が圧倒的に生活の中心ですから、完全な意味での地方在住者とは言い難いと思います。普段、東北がどうだ、地方がどうだ、と言うのも、恐らくは私の中で故郷は遠くに行ってしまったものであり、それに対する飢えのようなものが、私を地方について論じさせているのではないでしょうか。たぶん、生まれてこの方実家から離れずに暮らしていたら、ここまでではなかったと思うのです。
年末は、普段会う機会の少ない地元の旧友や、来年から同僚になるであろう、現役の地方生活者である東北の学生たちと会う予定があります。普段、自分は地方出身者であり、それは良くも悪くも自分のアイデンティティの一部を形成している、ということを自明のこととして捉えがちですが、そういうものを揺るがされたり、今の地方の同年代の面々はどう生きているのかを生々しく実感出来るということは、怖くもあり、また、楽しみでもあります。
特に地元の友人の場合、高校卒業と同時に働き始め、それが板に着き、場合によっては結婚して子供がいる、なんてこともあるわけで、そのあたり、個人単位でも、自分との違いを感じたり、また、元々知っているだけに彼らの変わった部分、変わらない部分を見たり、という楽しみがあります。大体の場合、一度成人式で途中経過を見ているので、大きなショックを受けることはそんなにはないですが。
私自身は間違いなく都市とイコールではないのですが、完全な都市民である一部の知人達との比較は、改めて私が地方論を考える上で貴重なものになると思うし、どちらを軸に生きるのか、自分に問い直すいい機会にもなるのではないでしょうか。