訪問販売と通販

今、通信販売はブームの域まで来ていると思います。私は極力店に出向いて物を見る主義ですが、その実用性は認めますし、趣味的な購買行動に関しても、昨今のカタログや通販番組の質の向上を見ると、自分は買わなくてもその心理は理解できるのは確かです。amazonなどのネット通販のおかげで、いちいち店で注文しなくても品物がすぐ手に入った、という経験も何度かありますし、靴や服の場合、自分にあったサイズでデザインの良いものが置いてあるか、という心配をせずに、なかったら別のサイトを探すだけ、という気楽さがあるのも良いところです。
何より、通販は放送時間固定のTVショッピングなどは別として、自分の空き時間に合わせて気の向いた時に品物を選べるというのが、私にとっては利用する際の最大のメリットです。別に日々多忙というほどではないですが、外に買い物に行くとなると、日用品は別としてそれなりに時間を作って行きます。そういう風にせずとも、空き時間のついでで済むのはありがたいことです。
一方、この通販ブームの中で思うのは、いい加減訪問販売(ここでは、BtoC*1のケースに限る)という制度は古いんじゃないか、ということです。定期的に得意先を回るヤクルトのおばちゃんや行商などは別として、突撃販売みたいなのは、このご時世迷惑がられはしても成果はあるのか、また、そういうものはしばしばエスカレートして住民とのトラブルを招き、商品のイメージダウンにも繋がっていくだろうという疑問があるのですが、それでもこういう、はっきりと言って大迷惑な営業活動はなくなりません。今のように決算期になると、新聞、保険、その他もろもろ、結構来るものです。勿論全て門前払いですが。
ただ、応対するだけでも結構時間をかけて粘ろうとする販売員も多く、そういうのは大体一方的にこちらが話を打ち切るのですが、そういう連中は人の時間を何だと思っているのか、と腹を立てずにはいられません。買いたくもない商品の、しかも下手な説明など聞いていられるほどこちとら暇じゃないんだ、と。それ以外の点でも人間性を疑いたくなるような販売員も多いですし。とにかく、この営業モデルは、慢性的な時間不足に悩み、またプライベートという概念が確立された現代社会にフィットしない、破綻した制度ではないでしょうか。使っている会社も、大概体質の古いところばかりでは。宅配便という制度さえなければ、アパートの場合来客にはドアの前で電話してもらって、インターホンには出ないというのもありなんですがね。
余談ですが、宗教の勧誘は私の場合同じ人物が二度来たことはたぶんありません。殺し文句は「唯物論」。これだけです。そうすると脈なしと見て早々に退散します。
まあどうあれ、学生の場合は寮や貧乏下宿など、訪問販売員の寄り付かない場所に住むのが一番でしょうか。郊外のアパートなど、住むもんじゃないです(笑)

*1:business to customerの略。企業対個人消費者の商取引のこと