Our song

Our Song
私の好きなバンド、Grapevineのシングルクリップにもこんなタイトルの曲があったり(→右。冬、鬱な気分の時など滲みる曲)、曲名としては結構ありがちなタイトルですが、それとは関係ない「僕らの音楽」論を少々。
以前ここで触れたかと思いますが、先日、仙台の学生さんたち(私も学生ですが)と会い、一次会は年甲斐もなく若い人とペースを合わせて飲み、その後隣のテーブルのお客(同じく、大学生)も巻き込んでオールナイトでカラオケ、という流れになりました。普段私のカラオケというのは、大学、しかも年上のOBを含む、最新流行曲などどこ吹く風の人達と行くコミックソング、替え歌中心のネタカラオケですし、しかも私自身も元から売れ筋の曲には斜に構えて接するひねくれ者なので、20歳になったばかりの専門学校生もいる場の流れについていけるか、かなり不安がありました。まあ、実際ついていけなかったんだけど(笑)
彼らの持ち歌はオレンジレンジB-DASH大塚愛といったあたりで、はっきり言っておっさんにとっては「ちょっと聴いた事ある」レベルの歌。しかも元の曲調の明るさに加えて、酒の力によるハイテンションも加わって、跳ねたりシャウトしたり(あくまで、彼らが、ということ)という具合で、楽しかったけど非常に疲れました。でも実は、「以心電信」(誤字ではない)でみんな盛り上がっている時に、一人取り残された時が一番精神的に疲れました。ああ、ジェネレーションギャップってこういうことなんだなって。いい歌だと思ったけど、でも、それは彼らの世代の歌であって、私はその一体感を享有していないということです。
現代は日本社会にも多様性がいくらか存在するようになったと言われ、音楽の趣味もばらけたため、昔のようにその世代なら必ずと言っていいほど知っているという「Our song」は生まれにくいのではないでしょうか。また、その傾向は、日本の音楽シーンの充実のためにはむしろ、好ましいはずです。しかし、一方で音楽にさほどマニアックに接しない人達も含めて、いや、むしろ彼らが中心となって、その世代に愛される曲というのは相変わらずあって、私(20代半ば)ぐらいの世代だと、ミスチルスピッツ小室ファミリーあたりのものがそれかと思います。私も何だかんだ言いながら、前者二つは結構聴きましたし。でも今、私はヒット曲に背を向け、20歳〜22歳の彼らとは別な音楽史を歩んでいます。別にそれがどうかしたか、と言われれば、大したことではないと答えるのですが、こういうのを認知していくことが年を取るということであり、また、自分が相対的に変わった人間であることを知ることなのかなと、ふと考えた次第です。
しかし、最後に一つだけ毒を吐かせてもらえば、最近のヒットソングって明る過ぎというか、全体的に叙情がなくて能天気じゃありません?たまたまその極みみたいな2アーティストを一晩聴かされた感はありますが、どちらかと言えば暗い曲を好んで聴く身としては、ついていけないです。流石にヒットチャートが全部、中島みゆきとか奥田美和子みたいな人達で埋め尽くされても、それはそれで鬱ですが。そういうのばっかりでも疲れるし(笑)