柔道で思い出したこと

先日、井上選手の事を書いてしばらくしてから思い出したのですが、女子63kg級で金メダルを獲得した谷本選手を指導した、バルセロナ五輪金メダリスト・古賀稔彦氏の講演を昔聞いたことがありました。
それは別に私が柔道をやっていたとかではなく、通っていた中学校(公立)がたまたま文部省から武道の強化指定校だかに選ばれていて、その一環で古賀「選手」が私達の学校に来て講演していった、というものです。当時の古賀氏は正にスポーツマン、若武者という言葉がぴったりで、非常にさわやかでありながら威厳もあり、正直体育会系でない私にはちょっととっつきにくい感もあったのですが、バルセロナ五輪で怪我を押して出場し金メダルを獲得したエピソードなどを非常に熱心に語って頂き、学校の講演会などでよくある、ゲストの話が退屈で生徒の多くが寝ている、と言うような状態ではなく、私も真剣に耳を傾けていた記憶があります。
古賀氏はその中で、「諦めてはいけない。諦めからは何も生まれない」ということを強調されていたのですが、これは非体育会系少年だった(笑)私の場合、少し咀嚼して、諦める=思考停止からは何も生まれない、とした上で教訓とさせて貰いました。生きていく中で戦略的撤退を迫られる事もあるかも知れませんが、それでも次にそのことをどう生かすか、そこからどうやって巻き返すか、そういった諦めの悪さと言うか、粘りのようなものは、その後結構ついたんじゃないかな、と自分では見ていますし、そういう意味で古賀さんのお話を直接伺えた事は、自分なりに人生の肥やしに出来たかなとも思っています。